キャッシュレス決済が当たり前となった現在、店舗における「決済端末」の重要性は増すばかりです。しかし、いざ導入しようとすると「メーカー」や「サービス」が多すぎて、どこを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、決済端末機の主要メーカー(ハードウェア)と、契約すべきサービス(プロバイダ)の関係を整理し、店舗のタイプ別におすすめの選択肢を解説します。
そもそも「メーカー」と「決済代行会社」は違う?
まず押さえておきたいのが、決済端末には**「端末を作るハードウェアメーカー」と、「決済サービスを提供する会社」**の2つのプレイヤーがいるという点です。
- ハードウェアメーカー: 端末本体を製造する会社(Panasonic、PAX、Verifoneなど)。
- 決済代行会社(サービス): 端末を店舗に貸与し、決済システムを提供する会社(Airペイ、Square、steraなど)。
一般的に店舗が契約するのは後者の「決済代行会社」ですが、提供される端末の「メーカー」によって、使い勝手や耐久性が変わってきます。
世界と日本の主要ハードウェアメーカー
ここでは、実際に手にする端末を製造している代表的なメーカーを紹介します。
1. 世界シェアの巨人たち(Verifone / Ingenico / PAX)
モバイル決済端末の分野では、海外メーカーが圧倒的なシェアを持っています。
- 特徴: コンパクトでデザイン性が高く、セキュリティ基準(PCI DSSなど)に厳格に対応しています。
- 主な採用サービス: Airペイ(Recruit)や楽天ペイなどは、中国のPAX社やフランスのIngenico社(現Worldline)などの端末を採用しています。
2. 安心の国内メーカー(Panasonic / NEC / 東芝テック)
日本の店舗環境を知り尽くした国内大手です。
- 特徴: 堅牢性が高く、自動釣銭機やPOSレジとの連携に強い。故障時のサポート体制も厚い傾向にあります。
- 代表的な端末: 三井住友カードなどが展開する「stera terminal」はPanasonic製です。大画面タッチパネルで、これ一台で全て完結するオールインワン型として人気です。
3. ハードもソフトも自社開発(Square)
アメリカ発のSquare(スクエア)は、決済サービスだけでなく、真っ白で洗練されたデザインの端末も自社で開発しています。
- 特徴: 圧倒的なデザイン性と使いやすさ。iPadがなくても単独で動く「Square Terminal」などが人気です。
失敗しない選び方:3つのチェックポイント
メーカーやサービスを選ぶ際は、以下の視点で比較しましょう。
1. 「据え置き型」か「モバイル型」か
レジカウンターでどっしり構えて使うなら、Panasonic製の「stera」のような据え置き型が安定します。一方、テーブル会計や屋外イベントで使うなら、AirペイやSquareのような持ち運べるモバイル型(ハンディタイプ)が必須です。
2. POSレジとの連動性
「金額の二度打ち」はレジ締めミスの元です。すでに導入している(または導入予定の)POSレジと自動連動できるメーカー・端末を選びましょう。例えば「スマレジ」を使うなら、対応している決済端末(StarPayやSTORESなど)は決まってきます。
3. 決済手数料と入金サイクル
端末の性能も大切ですが、長く使う上ではランニングコストが最重要です。
- 手数料: 3.24%前後が相場です。
- 入金: 翌日入金に対応しているか、振込手数料はかかるかを確認しましょう。資金繰りに直結します。
まとめ:自店に合った「最強のパートナー」を選ぼう
決済端末機は、単なる集金マシンではなく、お客様との最後の接点となる重要なツールです。
- 安心感と高機能を求めるなら: Panasonic製の「stera pack」
- 手軽さと導入スピードを求めるなら: モバイル型の「Airペイ」や「Square」
このように、お店の規模やオペレーションに合わせて選ぶのが正解です。まずは「どんな場面で決済をするか」をイメージすることから始めましょう。

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